健康と美容のために

薬に頼らず、鼻をスカッとさせるセルフケアがある!

この記事は16分で読めます


この記事では、今日からすぐに実践できるの鼻セルフケアを紹介します。
 

 
鼻のセルフケアというと、「花粉の季節」に行うケアを
連想する人が多いかもしれません。
 
しかし、花粉症の患者さんに限らず全ての人に、
通年、花のセルフケアを続けてほしいと願っています。
 
その理由の一つに、前回で述べた。「鼻呼吸」が挙げられます。
鼻呼吸を行うためには、鼻水や鼻づまりを解消しておく必要があるのです。
 
鼻のセルフケアを行っていくとき、念頭においてほしいことがあります。
それは、「即効性が期待できる形」と「長期的に持続すべきケア」の2種類がある、
という点です。
 
これらのケアは、同時並行で行って初めて、
症状の根治へとつながります。
 
例えば「ペットボトルの脇まさみ」を行うと、
1分もたたないうちに鼻づまりがすると解消されます。
 
しかし、このケアを続けているだけでは、
対処療法を繰り返しているに過ぎません。
 
自宅の大掃除をしたり、解説を見直したり、
有酸素運動を習慣にするなど、
「長期的に持続すべきケア」
も、同時に取り入れて欲しいのです。
 
また、「即効性が期待できるケア」の場合、効果には個人差があります。
自分に最もよく効くものを見つけて、数日間、数週間、数ヶ月と続けることです。
 
また、セルフケアの効果を見極めるためには、持病などがない限り、
鼻に関わる薬を飲まないことが理想です。
 
では、早速「花トラブルを撃退する10のセルフケア」を紹介しましょう。
 

セルフケア1:お風呂のタオルで鼻ぽかぽか法

 
「鼻を温めると、鼻づまりがよくなる」
これは医学的に証明された事実です。
 
シンプルで、即効性も高いので、世に広まってほしい健康常識の一つです。
鼻づまりの原因には、「鼻の血行不良」が挙げられます。
 
鼻の粘膜に血が溜まってしまうので、鼻の中の空気の通り道が狭くなり、
鼻詰まりが起こるのです。
 
寒い季節に鼻づまりが増えるのは、寒さからくる血行不良が原因です。
体を温めると血行が良くなるのと同じように、鼻も温めてあげれば、
血行は改善し、鼻づまりも解消します。
 
アレルギー性鼻炎の患者さんなど、鼻トラブルを常に抱えている人であっても、
鼻を温めるとすと楽になるのを感じられるでしょう。
 
暖かさは、くしゃみや鼻水の原因であるヒスタミンの放出を抑えてくれます。
また、鼻を温めるという方法は、薬を飲み続けることとは異なり、
副作用の心配もありません。
 
自宅で手軽にできる方法をご紹介しましょう。
入浴時に、浴槽につけたタオルで鼻を温めるのです。
 
入浴時の浴槽内は、鼻にとって最高に快適な環境です。
(浴槽に入らない.「シャワーのみの入浴法」では不十分です)
 
風呂場の中は蒸気に満ちています。
これだけでも、鼻の中に適度な湿り気が持たされ、
鼻腔が広がります。
 
そして、花を局所的に温めることで血行が良くなり、
つまりが解消するのです。
 
具体的には、小さなタオル(ミニタオルやハンカチサイズのもの)を用意します。
それをお湯に一旦つけて軽く水を切り、たたんで鼻の上部に当ててください。
(お子さんにこの方法を行う場合は、タオルが暑すぎないか、確認しましょう)
 
さらに、湯船から立ち上る湯気を、鼻から吸い込むのです。
そして、タオルを当てた花がじんわり温まってくるのを感じましょう。
 
私はこの方法を「お風呂のタオルで鼻ポカポカ方」と呼んでいます。
しばらくすると、鼻の中がムズムズするかもしれません。
 
それは、鼻の中で固まり、溜まっている鼻水が膨れてきた証拠です。
5分ほどタオルで鼻を温めると、軽度の詰まりはもちろん、
頑固な鼻づまりも解消できます。
 
鼻を温めた後は、鼻水がまとまって出てくることがよくあります。
入浴後には、必ず鼻をかむようにしましょう。
 
ちなみに、お子さんの場合
「お風呂のタオルで鼻ポカポカ方」
を行わなくても、入浴だけではなづまりはかなり改善します。
 
乳幼児の場合は、鼻水を吸うなどの鼻ケアを施すことになりますが、
これは「入浴後」に行うのが最も効果的です。
 
市販の鼻水吸引器は、コツさえつかめばかなりの量が取れます。
鼻水を自分でかめない年代のお子さんの場合は、ぜひこまめに取ってあげてください。
 

セルフケア2:鼻を通してくれる、強力なツボがある

 
鼻トラブルを撃退するために、ここでは2つの都合をご紹介しておきましょう。
一つは、全身のバランスを整えるツボ「天柱(てんちゅう)」。
もう一つは、直接鼻に働きかける、即効性が期待できるツボ「迎香(げいこう)」です。
 
まず「天柱」を見てみましょう。
 
天柱とは首の後ろ、つまりうなじにある有名な都合で、
自律神経に作用します。
 
うなじには太い筋肉が2本通っていますが、
その外側の上端、顔につながるところに位置します。
 
「天柱」の名前には.「天」、つまり、「頭」を支える大黒柱という意味があります。
頭部にあるツボの中でも重要で、けっこうの安定に効果的なツボとしても、
昔からよく知られています。
 
なにしろ、自律神経と関連がある都合ですから、
心身の疲労回復や、心のストレス解消(軽減)の効果を発揮します。
そして鼻づまりをすかと解消してくれます。
 
医学的に言うと、自律神経系統の不調は、まず首の後ろや後頭部に現れます。
そのため、首の後ろの血行を良くしたり、コリをほぐすことは、
自律神経失調症などの改善はもちろん、あらゆる病気を遠ざけることにつながります。
 
自律神経を常に整えてん正常化しておくことは、
鼻にとっても大切なことです。
 
鼻に細菌やウイルスが侵入した場合、
自律神経の血流のコントロールが悪くなると、
鼻の粘膜の炎症が起こってしまうからです。
 
天柱をマッサージするときは、あごを少し上げ気味にしながら、
体全体を両手で押さえ、左右の親指の先で天柱を指圧しましょう。
 
痛みを感じない程度に、親指をぐーっと入れるようなイメージで、
圧をかけてください。
 
次に「迎香」を見てみましょう。
迎香は小鼻(鼻柱の左右の最も膨らんだところ)のすぐ脇に位置するツボです。
 
手で触ると少しくぼんでいるのがわかるはずです。
迎香は「香りを迎える」という名前が示すように、
鼻と関係が深いことでよく知られています。
 
迎香には、鼻水の分泌を抑制する働きがあります。
5秒ほど押すだけで、鼻水をコントロールできるツボなのです。
他にも鼻腔内のむくみを取ったり、
嗅覚の不調や異常を調節する効果が期待できます。
 
この迎香を、人差し指の腹で、鼻をつまむように指圧してください。
指で触ると、皮膚の下にすぐ骨があることがわかります。
 
きつく押さえつけるのではなく、鼻を両脇から挟み、静かに押すイメージです。
また、迎香から目尻に向かって、軽くなでたり、押し上げたりするマッサージも、
非常に有効です。
 
迎香は「手の陽明大腸系」という、大腸や排泄に関わるツボの仲間の一つです。
つまり
「体内での通り抜けを良くしていく」
「出すべき物をきちんと出す」
と言う本来、体に備わっている機能を、より一層向上させてくれます。
 
これらの2つのツボのマッサージは、入浴時にもおすすめです。
ご紹介した「お風呂のタオルで鼻ポカポカ方」と合わせて、
浴槽に浸かりながら毎日続けてみてください。
ツボへの刺激を1日1分続けることで、鼻トラブルは解消します。
 

セルフケア3:鼻うがいは簡単で、「痛くない!」

 
手軽にできるセルフケアの代表格に、鼻うがい(鼻洗浄)があります。
 
鼻うがいは、鼻の中のホコリ、ウイルス、花粉など洗い流すことができるため、
鼻をかむよりもすっきりします。(鼻の奥にある上咽頭粘膜まで洗うことができます。)
 
鼻うがいの後は、鼻づまりはもちろん、のどの痛みなども解消されます。
アレルギー性鼻炎や、花粉症、副鼻腔炎などの症状の解消(軽減)、また予防に、
これほど貢献してくれるセルフケアはありません。
 
鼻うがいは、喉のうがいと異なり、「真水でのうがいは厳禁」です。
真水で行うと、「痛い」からです。
 
例えば、プールなどで、鼻から水が入ってきた時に、
「ツーン」と鼻や耳の奥に痛みを覚えたことはないでしょうか?
 
それと全く同じ状態になってしまうのです。
これは、人間の体液と水の浸透圧が違うために起こります。
 
鼻うがいは人間の体液の浸透圧と同じ店0.9%の生理食塩水で行いましょう。
つまり、1リットルの水に9グラムの食塩を溶かして洗浄液を作ってください。
 
近年、鼻うがい専用の洗浄液も市販されています。「(ハナノア)小林製薬など」
 
■用意するもの
・ぬるま湯
(できれば煮沸してカルキを飛ばし、冷ましておけるとベストです。殺菌にもなります。20度〜30度が適温です。)
・塩
(「1リットルの水に対して9グラム」が望ましいので、「250ml の水に対して2グラム 強」)
・容器
(市販されている鼻うがい専用の容器がベストです。もしくは100円均一のお店などで扱われている、長い管状の注ぎ口がついたボトル容器などでも構いません)
 

■「鼻うがい」の方法

①鼻うがい用の洗浄液を作ります
容器に、ぬるま湯を入れ、塩を混ぜます
(作り置きは控えた方が無難です。その都度、作るようにしましょう
 
②前かがみになります
うがいの時に生理食塩水で服が濡れないように、
タオルなどで覆っておくのがお勧めです。
 
③生理食塩水を入れた容器の先を、片方の鼻の穴に当てて手でプッシュし「アー」と声を出しながら注ぎます。
すると、余分な生理食塩水が鼻咽腔(上咽頭)を通って、
反対側の鼻の穴と口の両方から出てきます
(慣れない場合は、勢いよく飛び散ることもあるので注意してください)
「苦しい」「むせる」と言う場合は、
ぐっと顔を下に向けて「アー」と声を出しながら洗えば大丈夫です。
 
④鼻の穴を変えてもう一度行います
 
⑤鼻に生理食塩水が残っていないことを確認してから、軽く鼻をかんでおきましょう
鼻の奥に溜まっている膿などが出やすくなります
(鼻の粘膜や耳を痛めないよう、強くかまないように気をつけてください)
もちろん、気持ちがいいからといって、洗いすぎてはいけません。
1日に数回程度にしておくのが無難です。
(やりすぎると、症状が悪化することがあります。)
 
ちなみに、鼻うがいを行うときに最適の場所は、
入浴時のお風呂場です。
 
生理食塩水を、浴槽で人肌程度に温める事も簡単にできます。
鼻うがい中に、生理食塩水を万が一飲んでしまっても、
大きな害はありません。
 
しかし、耳に流れ込んでしまうと、中耳炎になる可能性があります。
うまくできない場合は、耳鼻科で一度相談をしてみてください。
 

セルフケア4:玉ねぎ深呼吸のすすめ

 
玉ねぎは、さまざまな健康効果で知られている食材です。
まず、「硫化アリル」という成分が含まれています。
 
玉ねぎを切ると涙が出ますが、その原因となっている成分です。
この酸化アリルには強力な抗菌、殺菌効果に加えて、
新陳代謝を活性化するなどの効果があり、鼻づまりを解消します。
 
また、「ケルセチン」という成分も含まれています。
「最強のポリフェノール」と称され、玉ねぎの皮に特に多く含まれています。
 
このケルセチンは、アレルギーを引き起こす「ヒスタミン」を抑制し、
鼻づまりを撃退してくれるのです。
 
そもそもアレルギーとは、 平たく言うと「ヒスタミン」という物質が
体内で過剰に作られている状態を指します。
 
ヒスタミンは「肥満細胞」で 生成され、通常はこの細胞内でおとなしくしています。
ところが、外界からの刺激によって細胞の外に出てしまったり、
増えすぎるなどの異常事態になると、「アレルギー反応」が引き起こされてしまいます。
 
ヒスタミンは、何かのきっかけで暴走する危うい存在なのです。
 
そのヒスタミンを抑制してくれるのが、ケルセチンというわけです。
ケルセチンは、ヨーロッパでは「抗ヒスタミン剤」として、
医薬品に認定されています。
 
フランスでは、玉ねぎを使って風邪を治すという民間療法があるそうです。
 
では、そんな玉ねぎをうまく取り入れた鼻ケアをご紹介しましょう。
それは「玉ねぎ深呼吸」です。
 
用意するものは、玉ねぎのみ。
行い方は、至って簡単です。
 
玉ねぎの皮がついたままの状態で薄く輪切りにして皿などにもります。
そして、玉ねぎの断面に鼻を近づけて、
「硫化アリルとケルセチンを吸い込んでいる」
とイメージしながら、鼻から思いっきり息を吸い込みます。
 
口呼吸にならないよう、口はしっかり閉じて、深呼吸を数回繰り返してください。
皮付きのまま適当に起きて、ポリ袋に入れて行っても差し支えありません。
 
鼻づまりで寝苦しい夜などは、切った玉ねぎを枕元に置いて寝てみてください。
軽い風邪程度であれば、すぐに効果が感じられることでしょう。
 
小さいお子さんの場合は嫌がることもあるので、
寝付いたの見計らってから、玉ねぎを置いておくのもお勧めです。
 
いつもの食卓から、鼻は改善できる。
 
ここで、鼻に悪い食べ物、良い食べ物について考えてみましょう。
鼻に悪い食べ物とは、なんといっても「刺激の強いもの」です。
 
代表的な例として、香辛料をふんだんに使い、
舌が痺れるほど「辛いもの」が挙げられます。
 
なぜ辛いものが悪いのか、ある治療法を例にお話しします。
「カプサイシン」という唐辛子の成分を使った花粉症の治療法があります。
(現在、さまざまな臨床実験が行われています)
 
カプサイシンを鼻に投与すると、神経そのものの働きが低下します。
それによって、ヒスタミンというアレルギーの元となる物質が入ってきても
「鼻が反応しにくくなる」
という原理の治療法です。
 
この治療法では、カプサイシンを溶かした液体を、
鼻の粘膜全体に塗っていきます。
 
当然、鼻の中はツンと痛み、焼けるような熱さが広がります。
 
そんな苦しい治療を、1時間おきに3回も繰り返すと、
くしゃみや鼻水が抑えられるのです。
 
最大のメリットは、ツンとした痛み以外には副作用がないことです。
 
しかしながら本来、生理学的には、くしゃみは人体に必要な「反射」の1つ。
くしゃみをすることで、体内に入り込もうとしている異物を排除しているのです。
 
ところが、カプサイシンの刺激によって神経が損傷し、
自然に備わる優れた人体の機能が失われてしまうわけです。
 
すなわち、辛いものばかりを好んで食べる嗜好は、
鼻にとって、決して良いことではありません。
 
では、鼻のためには、何を積極的に食べればよいのでしょうか?
私は、食材本来の味に敏感になれる、薄味の献立をお勧めしています。
 
一旦味覚に刺激を求め始めると、糖分も塩分も香辛料も、
自ずと使用量が増えていきます。
 
つまり、味付けが濃くなっていくのです。
すると鼻のみならず、全身にも悪い影響が出ます。
 
肥満や高血圧など、生活習慣秒のリスクもぐんと高まることでしょう。
 
食べ物を食べたときに感じる「辛い」という感覚は、
実は味覚ではありません。
 
脳の 働きで言うと、「痛覚」によって「痛い!」と感じているのです。
そしてその痛みの痛覚が持続すると、痛みを癒すために、
脳内ではβエンドルフィンという鎮痛作用のある脳内麻薬が分泌されるようになります。
 
βエンドルフィンは、快感や「おいしさ」を感じる物質でもあります。
そして、この快感を再び栄養と、また辛いものを求めてしまうことになるのです。
 
激辛グルメが好きな方は、過食に気をつけて適度に楽しんでください。
 

セルフケア5:鼻のためにも、有酸素運動を

 
運動は、健康維持に広く役立ちますが、
実は鼻トラブル撃退のためにも大きな力を発揮してくれます。
 
その理由は、交感神経(体を活発にするときに働く神経)にあります。
 
運動を行うことによって交感神経が刺激され、
体が適度に緊張して、興奮状態になります。
 
交感神経が活発になり、副交感神経よりも優位になると、
血流が良くなり、面白いことに鼻づまりまでスーッと解消してしまうのです。
 
ここでは特に、鼻のための運動について、考えていきましょう。
運動を行う際に大切なのは、やはり「鼻呼吸ができているかどうか」です。
 
口呼吸には多くのデメリットやリスクが潜んでいます。
例えば、都会で口呼吸をしながらジョギングをするとします。
 
大気中の排気ガスや、飛散しているウィルスなどの病原菌を
口からそのまま取り込むことになります。
 
早朝なら、冷たい空気が軌道に直接流れ込んでしまうでしょう。
もちろん、運動中に酸素の供給が追いつかず、
全身の酸素が不足してくると、
鼻呼吸をしていても自然に口呼吸に切り替わってしまいます。
 
ですから、「口呼吸に切り変わらない穏やかなレベル」を自分で把握して、
運動を続けることが重要です。
 
つまり
「どれくらいの運動量(運動時間)なら、鼻呼吸で運動を続けられるのか」、
その限界を知っておくのです。
 
つぎに、どのような運動が良いのかも見ておきましょう。
運動には2つの種類があります。
 
長時間、持続して行う「有酸素運動」と、
瞬発的な力を使う「無酸素運動」です。
 
ダイエットが目的の場合 脂肪の燃焼が期待できる
「有酸素運動」が良いという事実は皆さんよくご存知でしょう。
 
有酸素運動には、ウォーキングやジョギング、サイクリング、
水泳、ヨガ、踏み台昇降運動 などがあります。
 
一方、無酸素運動には、短距離走、ウェイトトレーニングなどがあります。
鼻トラブルの撃退のためには、
「無酸素運動」より「有酸素運動」を積極的に行なってください。
 
そもそも「無酸素運動」という言葉の意味をご存知でしょうか?
「酸素を使う必要がない運動」という意味ではありません。
 
「運動の強度が激しくて、酸素送ることができない」という意味なのです。
その点、有酸素運動は、全身の細胞に新鮮な酸素を送り込むことができます。
 
ただし、有酸素運動であっても、
口呼吸に切り替わってしまうほどの強度のものはオススメできないということです。
 

アスリートが鼻に貼っているテープは、本当に効くのか?

前回の記事では「鼻の健康維持」のための運動について、
お話をしました。
 
一方、「記憶」のための運動の世界で、
結果を出すべく戦っている選手たちもいます。
 
彼らは1分1秒というレベルで、しのぎを削っています。
その過酷な世界でも、「鼻」、つまり「呼吸」は重要な問題になってきます。
 
筋肉のエネルギー源となるのは「酸素」です。
自分の持つ力を最大限に発揮するには、
「酸素どれだけ体全体に行き渡らせることができるか」
が鍵になります。
 
そのためには、効率の良い呼吸を続けることが重要です。
それには「口呼吸」ではなく、やはり「鼻呼吸」なのです。
 
鼻腔拡張テープをご存知でしょうか?
鼻の隆起に沿ってグリッチをかけるように貼り付ける製品が、
薬局などで市販されています。
 
この鼻腔拡張テープを使用しているアスリート、
報道などでよく見かけるようになりました。
 
患者さんたちからも「鼻腔拡張テープは効くのでしょうか?」
と頻繁に質問を受けます。
 
「プロのアスリートが使っているのだから、効き目が素晴らしいに違いない」
と、多くの方が期待されるようです。
 
しかし実際のところ、この鼻腔拡張テープにそれほど大きな効果はありません。
以前、 この製品を検証してみたことがあります。
 
その結果、スーッと鼻が通る「爽快感」が得られるのは、
鼻の中でも鼻孔のごく入り口だけとわかりました。
 
この製品を装着しても、鼻呼吸の際に肝心な鼻孔の奥の粘膜の部分は、
さして広がらないのです。
 
しかし、前に述べた通り、鼻前庭の皮膚は重要で、
伸ばされることにより爽快感を生むこともあるのです(リンク)
 
軽度の鼻づまりの人なら、 多少の「爽快感」は得られ、
よくなるかもしれません。
 
しかし重度の鼻づまりの人にとっては、本当の健康効果は期待できないでしょう。
 
ただ、「この製品をつけて、よい呼吸ができるなら勝負に勝てる!」
と、心理面を安定させる効果は大きいのかもしれません。
 
とはいえ、 「鼻腔拡張テープを私も貼ってみようかな?」
と考えている時点で、鼻づまりを自覚しているということ。
 
そのような方は、こちらのサイトで紹介する正しいセルフケアを試してみてください。
 

セルフケア6:眠るときは、マスクを忘れずに

 
鼻トラブルを撃退する手段として、マスクはやはり有効です。
マスクのひとつめの利点は「気温差から鼻を守ってくれることを」です。
 
冬場に室内から屋外へ出たとき、 鼻は突然冷たい外気にさらされることになります。
気温差は鼻づまりの原因になります。
 
アレルギー性鼻炎の患者さんの場合、冷気が鼻粘膜を刺激して、
くしゃみ、鼻水、鼻づまりといった症状が一気に引き起こされてしまいます。
 
事前にマスクを装着しておけば、鼻へのダメージが軽くできます。
 
マスクの2つ目の利点は「鼻周りが高温体質になること」です。
マスクを装着すると、鼻前庭から鼻腔まで、吸い込む息は暖かくなります。
 
この暖かい空気が鼻や喉を温めてくれるのです。
さらに、暖かい空気が体全体に広がり、体温が上がる効果が期待できます。
 
「(高温の場合を除き)体温が1度上がると免疫力は約6倍に活性化する」
「湿度50%でウィルスの生存率は3%になる」
このようなデータも存在します。
 
ただし、マスクには弊害もあります。
常用すると、湿気がこもりすぎて吹き出物ができやすくなります。
 
また、マスクをした途端、鼻呼吸から口呼吸に切り替わってしまう人もいます。
マスクで鼻呼吸をことで無意識に「 苦しい」と感じるのかもしれません。
 
また、鼻を過保護に守りすぎると、「弱くなる」ということも考えられます。
マスクの装用で外界の刺激をブロックし続けていると、
いざマスクを外したとき、わずかなバイ菌が鼻に入っただけで、
大きなダメージを受けてしまいかねないのです。
 
その象徴的な例が、「マスクで風邪が防げるか」という問題でしょう。
マスクを常用していても、風邪になる人がいます。
 
マスクを一切装用しなくても風邪にならない人がいます。
風邪を引くか引かないかは、その人自身の免疫の状態も大きく影響するのです。
 
かくいう私も、診察中はマスクをしていません。
おそらく、その秘密は私の「睡眠中のマスク習慣」にあるとみています。
 
眠るときにマスクをつけることは、非常に有効です。
部屋が乾燥している場合は、なおさらです。
 
暖かく適度に湿った空気を取り込むことができ、
睡眠の質が高まります。
 
そして良質な睡眠は、免疫力を高めることにつながるのです。
 

セルフケア7:1分以内に効く!ペットボトルの脇ばさみ

 
「鼻づまりが一瞬できる」という夢のような方法があります。
すでに多くの方が、その効果を実感しています。
 
簡単な方法なので、ぜひ試してみてください。
それは、
「液体の入ったペットボトルを脇に挟み、ぎゅっと圧をかける」
という方法です。
 
私はこの方法を「ペットボトルのわきばさみ」と名付けています。
 
特徴は、とにかく即効性が高いことです。
数十秒もしないうちに、鼻づまりが解消します。
 
注意して欲しいのは、鼻づまりを感じている鼻の穴と、
逆側の脇の下にペットボトルを挟むという点です。
 
具体的に言うと、「右側の鼻の穴が詰まっている」と感じているときは、
左脇にペットボトルを挟む。
 
「左側の鼻の穴が詰まっている」と感じているときは、
右脇にペットボトルを挟めば良いのです。
 
ちなみに、左右両方の脇に、
同時に1本ずつペットボトルを挟んでも効き目はありません。
 
鼻の穴が両方詰まっている場合でも、必ず片方ずつ行ってください。
この「ペットボトルのわきばさみ」は
「体の側面を圧迫すると、その反対側の交感神経が刺激され、鼻づまりが解消される」
という原則を応用したものです。
 
ただし、重度のアレルギーや自律神経系の病気がある方や、
鼻中隔が極端に曲がっている人には、効果が期待できません。
 
脇に挟むものはペットボトルではなく、堅いものならボールなどでも構いません。
もしくは、「背もたれ付きの椅子」でも代用できます。
 
椅子に座り、背もたれを脇で挟み、
圧をかければ「ペットボトルの脇ばさみ」と同じ効果が得られるのです。
 
ポイントは、 「圧をどこにかけるか」という点です。
脇の下に手を挟み、指3本くらい下に、強めに圧をかけてみてください。
 
脇の下には「圧力を感じるセンサー」が存在しています。
そこを圧迫すると、反対側の交感神経が刺激されることになるのです。
 
「ペットボトルの脇ばさみ」は即効性が高く、非常に助かります。
この原理を応用すると、寝ている時の鼻づまりを解消することもできます。
 
鼻が詰まっている側と反対側を下にして、横向きに寝ると、
鼻の通りが良くなるのを実感できるのです。
 
つまり、 右の鼻の穴が詰まっているときは、体の左側を下にして、
左の脇に圧力をかけるように横になります。
 
左の鼻の穴が詰まっているときは、体の右側を下にして、横になるのです。
ただし、これはあくまで「対症療法」です。
 
ほかの鼻ケアも取り入れて、
鼻づまりを常に解消できている状態を目指すようにしましょう。
 

セルフケア8:鼻毛は絶対に抜かない、切りすぎない

 
エチケットとして、最低限の鼻毛の手入れは必要でしょう。
市販の鼻毛専用カッターや、刃先が丸い小型バサミなどで、
鼻毛の先端を上手く切るようにしてください。
 
しかしながら鼻の専門医としては、
「鼻の穴は出来る限り触れてほしくない」
というのが本音です。
 
鼻の内部には、鼻前庭という皮膚と 鼻腔という粘膜があり、
目にこそ見えませんが、様々な種類の細菌が存在しています。
 
普段はそれらの細菌が人体に悪さをしてくるようなことはまずありません。
しかし、鼻毛のケアによって予期せぬトラブルが引き起こされることがあるのです。
 
汚れた毛抜きや、錆びた鋏を使ったり、
力任せに鼻毛を抜くなどという処理は絶対にやめてください。
 
鼻毛が入っている皮膚を傷つけるからです。
人体は「美醜」の 問題とは違う次元で、
命を維持するため働き続けてくれています。
 
「なぜ鼻毛があるのだろうか?」と考えてみてください。
 
人体の体は大人になるにつれて、特に重要な箇所に毛が生え揃うようになります。
それは、大変意味があることなのです。
 
幼児の場合は、 ある一定の年齢まで、
耳の穴に産毛がぎっしりぎっしりと入っています。
 
それも
「毛が入っている時期、特にその部分は大事である」
という身体からのメッセージなのです。
(実際、乳幼児は中耳炎など耳のトラブルをよく起こすものです)
 
鼻毛が入る鼻の穴は、空気を取り込む最初の地点。
鼻の奥には副鼻腔があり、喉、期間、さらには肺へと至ります。
 
つまり鼻の穴とは「呼吸器系」が始まる重要なポイントです。
鼻毛はそこで、異物が入り込まないようフィルターの役割を担っています。
 
鼻毛がなくなってしまったら、途端に感染症にかかりやすくなったり、
アレルギーを発症するなど、体調を大きく崩してしまうことでしょう。
 
また、鼻毛は鼻の穴の中の 湿度や温度を保つことにも貢献してくれています。
 
患者さんのなかには、
鼻毛ケアを習慣にしているせいで、
鼻前庭の皮膚に対して軟膏を処方することがあります。
 
しかしその前に、
「鼻毛を切りすぎてはいませんか?」
というところから、お話しするようにしています。
 

セルフケア9:部屋を片付けて、アレルギーを遠ざける

 
掃除をして、鼻水や鼻づまりを解消させようと思ったときは、
徹底的にホコリなどを取り去ることが重要です。
 
そのためには、部屋の中央や、身に付く部分の掃除だけでは不十分。
「四隅まで掃除をする」ことを心がけましょう。
 
徹底的に掃除をしようと考えた場合、重要なことに気づくはずです。
それは、「ものが多いと掃除がしにくい」という原則です。
 
ホコリは物に付着したり、積もったり、隙間に入りこんだりします。
鼻に入ると、粘膜に触れただけで、くしゃみや鼻水の原因となります。
 
また、アレルゲンとなってアレルギー性鼻炎を引き起こすこともあります。
掃除を徹底するのと同時進行で、ものを減らすことも重要なのです。
 
例えばデスクの周りに、書類が無造作に積み上げられているとしましょう。
「書類の山」はホコリの温床です。
 
書類は無造作にむき出しで積み上げず、デスクか棚に集約させましょう。
(書類に限らず、他の「モノ」についても当てはまります)理想を言えば、
フタや扉を閉めて保管することです。
 
もっとも、不要なものは潔く捨てることができれば最高です。
 
室内にものがあふれている状態で、 エアコンをつけたとします。
 
ホコリが室内に拡散され、循環し、鼻への刺激がいっそう増します。
 
家具屋ものを減らし、四隅まで掃除を徹底し、
空気清浄機を設置しましょう。
 
花粉の季節であれば、なおさらです。
 

セルフケア10:アロマテラピーは、本物の香りを選ぶこと

 
「『ユーカリの香り付き』と書かれた製品は、鼻に良い 気がして無条件に買ってしまう」、
こんな心理を教えてくれた30代の女性患者さんがいます。
 
この患者さんの声には、鼻の専門家として、非常に考えさせられてしまいました。
確かに、「ユーカリの香り付き」と聞けば、
「アロマテラピーの効果が無条件に得られる」
と思い込んでしまっても、無理はないでしょう。
 
「ユーカリの香りがする!」と心で感じることで、気分が良くなり、
その結果ストレスが解消しリラックスできるという効果は、
確かにあるのかもしれません。
 
しかし、そのユーカリの香りが天然由来のものではなく、
人工香料から作られたものであったとしたらどうでしょうか?
それが鼻に働きかけてくれる効果は、ほぼゼロなのです。
 
何かの香りをかいだとき、人は2つの経路のうちいずれかで反応を起こします。
「粘膜」に関わる経路と、「嗅神経」に関わる経路です。
2つの経路は交わらず、全く別の活動をしています。
 
「粘膜」 に関わる者としては、ミントに含まれる「メントール」、
唐辛子に含まれる「カプサイシン」など、
ごく限られた種類の物質が存在します。
 
メントールは、「冷たさ」を感じる受容体を活性化させることで、
人に「冷たい!」と感じさせます。
 
唐辛子は「熱さ」を感じる受容体を活性化させることで、
人に「熱い!」と感じさせます。
 
一方、「嗅神経」に関わる者としては、
それ以外の1,000種類以上の物質が挙げられます。
 
例えばアロマテラピーによる、植物の力を治療に用いる場合は、
香りが嗅神経に直接働きかけることで、効能が現れると考えられます。
 
しかし天然のものでないと、効果をにくいのです。
もし、アロマテラピーを鼻のセルフケアの目的として、
本格的に取り入れたい場合は、
ぜひ天然のエッセンシャルオイルを探すようにしてください。
 
まずは症状に応じた効能が期待できる種類の精油を選びましょう。
ここでは 、入手しやすい代表的な精油と、その効能についてあげておきます。
 
●ペパーミント…鼻づまり解消、リフレッシュ
●ユーカリ…花粉症や呼吸器系の炎症の緩和、免疫強化作用、集中力アップ
●カモミール・ジャーマン…目の痒みや喉の不調の緩和、抗アレルギー作用
●ティーツリー…花粉症や喉の不調の緩和、強い殺菌消毒作用、免疫活性作用
●マートル…花粉症や鼻水、鼻づまりの緩和
 
アロマテラピーの方法は、「アロマバス」や「芳香浴」などいろいろあります。
花粉の時期であれば、
「ハンカチに精油を一滴染み込ませて携帯し、随時香りを嗅ぐ」
という方法も お勧めです。
(ハンカチにはシミが残ることもあるのでご注意ください)
 
精油の成分の中には刺激が強いものもあります。
原液を肌に直接、塗布、使用することは厳禁です。
 
説明書をよく読んで使用しましょう。
喘息など呼吸器にまつわる持病がある人がアロマテラピーを行う場合、
代わりにむせて発作を起こすリスクがあります。
 
主治医に必ず相談をしてから、試みるようにしてください。

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